あさえです。
今日は読書レビューだよ!ついに西尾維新デビュー!!
西尾維新、いつかは読みたい。何から読もうかなーと思っていて本屋をうろついていたら発見した刺激的なタイトル。美少年探偵団。
タイトルで釣られるなんて……って思いながらまんまと釣られて購入。
美少年探偵団
美少年探偵団。私の中の西尾維新のイメージって物語シリーズのアニメをちらっと見ている分でのイメージしかないわけです。
そんな状況で読んだこの本。
あれ?あんまり西尾維新っぽく……ない……?
美しくあること
美少年探偵団団則1.美しくあること
美少年の探偵団ですからね。そりゃあもちろん美しくあることはとても大切です。この物語において、「美」の文字はゲシュタルト崩壊しそうなほど出てきます。
美しい
美しくない
美脚
美声
美術
美食
そして美学
美しいってなんだろうか、美しくないってなんだろう。美しくあることの意味、美しくありたいと思う気持ち。そんなものを色々考えさせられます。
少年であること
団則2.少年であること
美少年探偵団ですからね。少年でなければ、はいれません。
いやぁしかし、この本において少年である、というのはとてもとても重要で、なんというか表現しがたいのだけれど、まさしく少年。
美しい少年ですからそれはもう素晴らしいものなのだけれど、それだけではなくて、なんというか。
本作では少年と大人との対比もあるのですが、そこがとてもよい。
少年であること。いいことだ。
男はいつまでも少年である、というような話があるけれど、そういう意味ではない、少年感。成人男性ではない。少年。いつまでも少年ではいけないのです。刹那的な、限定的なものなのでよいのです。
とてもよい。
探偵であること
団則3.探偵であること
美少年探偵団ですから。探偵でなくてはいけませんね、探偵団ですから。
こうやって書き出すとこの団則は団則として存在する意味があるのかどうかわからないようなものですが、まさしく探偵である団員たちがとても素敵で、団則に忠実でやっぱりとてもよい。
彼らはあくまで探偵なのです。
探偵として引き受けた依頼の解決に向けて全力で取り組む彼ら。少年であり続けながら、美しくあり続けながら。
そうして、ああ、やっぱり探偵なんだなってなって。
やっぱり探偵であることはとても大切な要素ですね。
夢について
さて。本書では「夢」についてたくさんたくさん、語られます。夢を諦める、追いかける、諦めるために必要なもの、追いかけるために必要なもの。
夢とはなにか。夢が自分に与えるもの。自分に与えられたものと、夢との間に立ちふさがるもの。
星が、夢が、瞳が、気持ちが、心が、色んなものが色んな風に絡まって、そうしてそこに美少年探偵団と、美しくあり続けることはできなかった大人たちとが絡まって絡まって、結局するっとほどけて美しく集結していくお話。
夢を追うっていうのはやっぱり素敵だと思うのです。でも夢を追いかけることと同じくらい、夢を見つけることって大変なのです。そうして、追いかけ始めた夢を諦めることもすごく大変で、夢って素敵だけれどやっぱり同時に負荷をこちらにかけてくるもので、そういうところも美しいものだなあと思ったのでした。
私の夢
最近この話ばっかりしてますね。私の夢。たくさんありました。薬剤師になりたい。楽器を続けたい。文章を書きたい。作家になりたい。大人になりたい。賢くなりたい。大人になりたい。強くなりたい。弱くありたい。寄り添いたい。もっと、もっと、もっと……
私は求めてばかりです。追い求めてばかり。
諦めたと思っていた夢が自分の中で腐って腐って、それを拾い上げて腐ってないところをとりだしてちゃんとまた成長させようとなって最近その残っていた夢のカケラの美しさにとても感動しました。
諦めることはやっぱりとても大変です。夢を美しく諦める。
そうでなければ夢はきっと自分の中でぐるぐると渦を巻いて腐敗していって内側から自分を蝕みます。
そうなるれるくらいの夢をとても早いうちに見つけることが出来た私は幸運だったし、腐らせてしまったけれどまた追いかけようと思えたのは素敵なこと。
私はとても恵まれている。そう思います。
重荷に感じてしまうこともあるけれど、それでも、夢はやっぱり美しい。
夢はありますか。それを追いかけているあなたは美しいですか。美しくあり続けることができていますか。
夢を見つけられていますか。
諦めた夢がありますか。
自分にはなにもないと思っていませんか。
生きていることはそれだけでとても美しいです。
美しくない生き方もありますね。それでも、生きていることは美しい。
あなたが生きてこの文章を読んでくれている奇跡を私は嬉しく思います。
夢について、考えたい時。何か行き詰まった時。
本書を読んでなにか得られるものがあれば、それはとても素敵なことですね。
そんな素敵な1冊でした。西尾維新デビュー。なかなかよいものでした。
二作目も読みました